タイタニック号を見物しに行く潜水艇タイタンが水圧で潰れてしまい、乗船していた5人全員が亡くなってしまうという悲しい事故が起きてしまいました。
さて、タイタニック号が沈没している水深は海底3650メートルと言われていますが、この水深では生身の人間はどうなってしまうのでしょうか?
今回はわかりやすく水深4000メートルとして考えていきます。
- 水圧の計算方法
- 水深4000メートルでは人間の体はどうなる?
- 水深4000メートルで生きている生物はいる?
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
水圧の計算方法

まず初めに水圧の計算方法を頭に入れておきましょう。
といってもそこまでむずかしいことは言いません。
水圧を計算するには、人体が受ける面積と水深が重要になってきます。
たとえば、1メートル四方の鉄板を1メートルの深さのプールに沈めたところを想像してください。
鉄板の上には幅1メートル、奥行き1メートル、高さ1メートルの水が載っていることになりますよね。
1メートル×1メートル×1メートルの体積の水というのは1トンです。
よって1メートル四方の鉄板は1トンの圧力を受けているわけですね。
ではわかりやすいように、あなたの握り拳で計算してみましょう。
片手を握ってグーを作ってみてください。
人によって大きさに差がありますが、そのグーを10センチ四方の四角として考えましょう。
このグーの手だけを潜水艦の窓から外に出すイメージです。
1㎡の鉄板と比較して、グーの表面積は100分の1になるので、受ける圧力も100分の1になります。
鉄板では1トンの水圧だったので、これが100分の1となると10kgの重さがかかっていることになります。
では次に水深4000メートルに行きましょう。
水深が4000倍ですから、重みも4000倍になります。
したがって、グーにかかっていた10kgの重みは、水深4000メートルでは40000kg(=40トン)の重みに変わります。
というのがかんたんな水圧の計算方法です。
水の重さを受ける表面積が関係してくるので少し複雑な計算になります。
ややこしくてめんどくさいです。
水深4000メートルでは人間の体はどうなる?

人間の体の表面積(18〜26歳の青年男女45名の平均)というのは以下のとおりです。
性別 | 人体の表面積 |
---|---|
男性 | 16900㎠ |
女性 | 15100㎠ |
わかりやすいように平均して16000㎠として、男女同じ体として計算していきましょう。
16000㎠とは100センチ×160センチの四角形と同じ面積です。
1.6㎡と考えてもOKです。
ちなみに、畳1畳(たたみ1じょう)の面積は1.62㎡(182cm×91cm)ですのでイメージしやすいと思います。
先ほどの鉄板と同じように、畳を4000メートルの深海に沈めると、水圧は1.6㎡×4000トンで、6400トンの重さが全身にかかることになります。
ジャンボジェットの重さは350トンですから、ジャンボジェット約18機分の重さが体にかかることになります。
また、トヨタのプリウスであれば車重は約1400kg(=1.4トン)です。
そのため、水深4000メートルではプリウス4570台分の重さがあなたにかかることになります。
想像しただけでおかしくなりそうですよね。
ちなみに「水圧でペシャンコ」ってよく聞きますが、これは間違いです。
ペシャンコというと車のタイヤに踏み潰されたカエルのようなものをイメージしがちですが、現実ではこうはなりません。
タイヤで踏むと重みは上方向からしか受けませんから。
水深4000メートルでの水圧の場合は、上下前後左右という全方向から重みが襲ってきます。
体内の気体は全て押し出され、圧縮されてミイラのような体になります。
参考動画↓
水深4000メートルで生きている生物はいる?

結論から言うといます。
マリアナ海溝の水深8000メートルに住む魚が発見されています。
体調15〜20センチほどの魚で、ゾウ1600頭分の重さを水圧で受けながらも生存しているようです。
参考資料
水深8000メートルに存在すると言うことは、水深4000メートルではもっとたくさんの種類がいるんでしょうね。
まとめ 水深4000メートルに生身の人間が放り出されると

以上、今回は水深4000メートルに生身の人間が放り出されるイメージを文字にしてみました。
以上をもう一度わかりやすくまとめると…
- 水深4000メートルでは人体は6400トンの重みを感じる(と同時に死ぬ)
- 6400トンはジャンポジェット18機分、プリウスだと4570台分の重み。
- 体が押し潰され、体内にある気体は全て押しされて圧縮される。
タイタニック号を鑑賞しに行ったタイタンの乗組員は全員助かりませんでした。
ご冥福を祈ります。
ちなみに、タイタン号の操縦桿はゲームのコントローラーでした。そちらも記事を書いていますので、読んでいただけると嬉しいです。

というわけで今回はこのあたりで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。