河野太郎デジタル相が2023年7月2日(日)のNHK弁組で、マイナカードの名称変更に言及し、話題になっています。
河野氏は2026年中にも実施するデザイン変更を念頭に
「マイナンバー制度とカードがかなり混乱している。次の更新でマイナンバーカードという名前をやめた方がいいのではないか」
と述べたことがYahoo!ニュースになり、さまざまなコメントが付いています。
私自身もマイナンバー制度とマイナカードってどう違うんだ?と思い、今回もう一度勉強して、わかりやすく整理し直してみました。
ところで、あなたはマイナンバー制度とマイナカードの違いを人に尋ねられた時に、きちんと説明できるくらい理解しておられるでしょうか?
ぜひこの記事でおさらいしてみてくださいね。
- マイナンバー制度とは?目的と制度の内容をおさらい
- マイナカードとは?目的、メリット、デメリットをおさらい
- マイナンバー制度とマイナカードの違いをわかりやすく解説
さて順番に見ていきましょう!
なお、この記事ではむずかしい言葉を使わず、わかりやすさ最優先で説明していきます。
そのため細部が事実と異なる部分もありますが、大まかなニュアンスは間違いないので、あまり真剣にならずお気軽に読んでいただけると嬉しいです。
ちなみに、マイナカードが名称変更することが確定したわけではありませんので、その点はご安心ください。
マイナンバー制度とは?目的と制度の内容をおさらい

まずはマイナンバー制度についておさらいしていきましょう!
マイナンバー制度の目的
マイナンバー制度の目的は主に次の3つです。
- 人件費を削減すること
- 国民の生活をより便利にすること
- 脱税などの不正をなくすこと
マイナンバー制度ってどんな制度?
マイナンバー制度は、国民の個人情報を電子データとしてシステムで管理する制度です。
そんなの前からやってなかった?
確か住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)だっけ?
と思われる方もいるでしょう。
おっしゃる通り、住基ネットも国民の個人情報を管理するためのシステムです。
ですが住基ネットは都道府県や市町村が主導だったのに対し、マイナンバー制度は国が主導で行うもの、という点で違いがあります。
住基ネットでも個人情報を登録していましたが、その情報はマイナンバー制度へと引き継がれています。
ちなみに、住基ネットの情報は国民の引っ越し(市町村間の転入)や、高齢者の年金受給において役立っていました。
しかし中には住基ネットの導入を拒否する自治体があったりと問題も多かったです。
そんな住基ネットとは違い、マイナンバー制度は国が運営します。
そのため、納税に関することなどができるようになりました。
他にも出来ることが増えていますので、マイナンバー制度のメリットを以下に紹介していきます。
マイナンバー制度のメリット
マイナンバー制度のメリットは、運営する国側にも国民側にもメリットがあります。
(ただし、システムに問題が無くスムーズに運用出来ている場合です。この記事ではスムーズに運営できているものとして話を進めていきます。)
まずシステム化することで、各種手続きに人の手を使わなくなり、その作業にあたっていた公務員にかかる人件費を浮かせることが出来ます。
理論上はお金が余ってくるので、浮いた金額ぶんを減税したり、別のことにお金を使えます。
我々国民側にもメリットがあって、納税がかんたんになったり、パスポートの発行がかんたんになったりします。
また、納税をシステムで行うことにより、脱税を減らすことができます。
脱税が減ると国の税収が増えることになります。
我々国民からしても、脱税する人が減ることで不公平感が弱まりますよね。
マイナンバー制度のデメリット
マイナンバー制度は電子データのシステムですので、そのシステムに問題があると大きなリスクを生じることになります。
正確に動作するシステムがあること前提で機能するということです。
続きまして、マイナカードについておさらいしていきます。
マイナカードとは?目的、メリット、デメリットをおさらい

マイナカードとは、マイナンバー制度を使うためのカードです。
ここではマイナカードで出来ることや、メリット・デメリットを解説していきます。
マイナカードの目的
マイナカードの目的はシンプルで、マイナンバー制度を円滑に運営するのが目的です。
ただ、現状のマイナンバー制度のシステムはトラブルだらけというのが実状で、返納運動も起きています。
マイナカードで出来ること マイナカードを持つメリット
マイナカードを出来ることやメリットがこちらです。
- 住民票の写しなどの証明書をコンビニで発行できる
- 本人確認書類として使える
- 健康保険証として使える
- マイナポイントがもらえる
- などなど
住民票の写しって何に使うっけ?
そんな頻繁に使わないよね?
確かに普段ひんぱんに使うものではありませんが、いつ何に使うのかと言うと…
- 運転免許取得時
- 不動産登記時
- 賃貸契約時
- 就職時
- パスポートの更新や取得時
こうして見ると多いですが、日常生活で必要な頻度は少ないですよね。
ですが、たとえば激務の中で転職活動をしているサラリーマンなどにとってはありがたいですよね。
役所に行く必要がありませんから。
また、免許証やパスポート以外の本人確認書類として使えるのも便利です。
たとえばPayPayなどの電子マネーを初めて使う際の本人登録書類として使えます。
同様に銀行口座の開設や、クレジットカードの新規申請などでも使えます。
運転免許証を持っていない方にとっては特に便利なものですね。
マイナカードを持つことで生まれるデメリット
マイナカードにはデメリットもあります。
いちばん大きいのは紛失、盗難のリスクです。
『身分を証明する力が強い』ために盗難や紛失のリスクが非常に高くなります。
たとえば千円札を一枚落とすのと、一万円札を一枚落とすのとでは全然ダメージが違いますよね。
ですが落としているのは両方『一枚の紙幣』です。
それと同じで、免許証を落とすよりもマイナカードを落とす方がリスクが大きいです。
どちらも落とすのは『一枚のカード』です。
となると窃盗犯からしても、免許証よりもマイナカードの方が狙い目なわけで、盗難のリスクも高くなります。
そこでマイナカードを持ち歩かずに家で厳重に保管するとなると、反対に外での身分証明がむずかしくなる、というなんとももどかしい状況になります。
というのがマイナカードの最大のデメリットです。
最後にマイナンバー制度とマイナカードの違いを、もう一度わかりやすくまとめていきます。
マイナンバー制度とマイナカードの違いをわかりやすくおさらい

さてここまで色々と説明してきましたが、長くなってしまったので、もう一度おさらいします。
まずマイナンバー制度は(システムが正常に動いていれば)、国にとっても国民にとってもメリットのある非常に便利な制度です。
そしてその制度を100%使うための道具がマイナカードです。
料理で言うならカレーとスプーンというような関係。
スマホで言うならLINEと電話番号のような関係です。
カレーもLINEも便利ですが、使う(食べる)にはスプーンだったり電話番号が必要ですよね。
ただ、現状のマイナンバーシステムには不具合が多く、まるで毒入りカレーやバグだらけのLINEという感じです。
という具合に、マイナンバー制度とマイナカードは、深く関係していますがまったく違うものです。
河野太郎デジタル相は「かなり混乱している」とおっしゃっていますが、冷静に考えてみるとそこまで混乱するようなものでもないかと思います。
そもそも、混乱していてもマイナンバーのシステムがしっかりしていれば、問題なく運営していけると思われます。
そういう意味ではカードの名称変更はちょっとズレているとも言えますね。
ヤフコメにも多くあったことですが、カードの名前を変えるよりもシステムの利便性やセキュリティを強化する方が、我々にとってはありがたいです。
まとめ マイナカードが名称変更する理由は?マイナンバー制度との違いは?

以上、今回はマイナカードの名称変更について解説してみました。
マイナカードの名称変更はまだ決まっておらず、実際に変更されるかどうかはまだ不明です。
河野太郎デジタル相の話では
「マイナンバー制度とマイナカードの混乱が顕著だから、今後名称変更するかも」
ということでした。
気になって制度とカードの違いを調べてまとめてみたわけですが、結論は『関係しているけど違うもの』ということがわかりました。
もう一度わかりやすくまとめると…
- 河野太郎デジタル相「マイナンバー制度とカードが混乱してるから、カードの名前を変えるのもあり」
- マイナンバー制度の目的は、①人件費削減 ②国民の生活を便利に ③脱税などを無くす
- マイナンバー制度では、個人情報をシステムで管理する
- マイナンバー制度のメリットは、①国が使えるお金が増える ②納税がかんたんになったり住民票の写しを取りやすくなる
- しかし現在のマイナンバーはシステムに欠陥があって、トラブルが多くリスクが高い
- マイナカードはマイナンバー制度を使うための道具に過ぎない
- マイナカードは身分証明書としての性能が高いゆえに、紛失や盗難のリスクが高い
- つまり、マイナンバー制度とカードは全然違う。よってカードの名前を変える必要は無さそう
- マイナンバーのシステムの完成度を高めれば問題無し
マイナカードの名前なんて変えなくても、マイナンバーのシステムが信頼できる品質であればそれで良いわけです。
早く信頼できるマイナンバーシステムが完成すると良いですね。
というわけで今回はこのあたりで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
当ブログはこれからも河野太郎デジタル相とマイナンバーシステム構築に携わっている企業を応援していきます!
ではまた。